
「定期テストを受けてない…このままじゃ中学校を卒業できないの?」
「教室に行けないのに、テストだけ受けに行くなんて無理…」

不登校のお子さんを持つ親御さんから、このような不安の声をよく聞きます。
結論から言うと、公立中学校において「定期テストを受けない=卒業できない」ということにはなりません。 日本の義務教育は年齢主義が基本であり、出席日数やテストの点数が足りなくても、校長先生の判断で進級・卒業できるケースがほとんどだからです。
この記事では、不登校の中学生が定期テストを受けない場合に直面する現実(進路への影響)と、内申点を少しでも確保するために今すぐ親ができる「3つの現実的な対策」を分かりやすく解説します。
中学校は「定期テストを受けない」と卒業できない?(留年はある?)
まずは、一番の不安である「卒業」について、文部科学省のルールと実際の運用を整理しましょう。
公立中学校は「年齢主義」が基本(留年はほぼない)
日本の義務教育(小・中学校)では、制度上は「原級留置(留年)」の規定が存在します。しかし、実際の運用としては年齢に合わせて進級していく「年齢主義」が採られています。
文部科学省の通知でも「義務教育段階から原級留置を徹底することは受け入れられにくい」とされており、不登校で出席日数がゼロ、定期テストを一度も受けていなくても、同級生と一緒に卒業できるのが一般的です。
注意:私立中学校の場合は対応が異なることも
ただし、これはあくまで公立中学校の一般的な対応です。
私立中学校や国立・県立中高一貫校などでは、学校独自の厳しい進級・卒業基準(赤点や出席日数の規定)を設けている場合があり、最悪の場合は退学や公立への転校を促されることもあります。必ず在籍校の規定を確認してください。
卒業はできても「内申点(成績)」には大きな影響が出る
「なんだ、卒業できるならテストは受けなくていいや」と思うのは危険です。なぜなら、定期テストを受けない最大のデメリットは「高校受験(進路)で圧倒的に不利になること」だからです。
学校は「評価する材料」がないと成績をつけられない
定期テストを受けないと、先生はお子さんの学力を測る手段を失います。その結果、通知表の成績(評定)が
内申点がないと、公立高校の受験で不利になる
多くの都道府県の公立高校入試では、「当日のテストの点数」と「内申点(中学校での成績)」の合計で合否が決まります。 内申点がボロボロ(または斜線)の状態では、受験できる高校の選択肢が極端に狭まるか、通信制高校や定時制高校などに絞らざるを得なくなります。
「今は不登校だけど、いつか全日制の高校に行きたい」と少しでも考えているなら、学校側に「成績をつけるための材料」を渡す必要があります。
不登校でも内申点をもらう!定期テストの「代わり」になる3つの対策



学校の先生も、「テストを受けていないから全員一律で1にする」と冷たく突き放したいわけではありません。「評価できる材料」さえあれば、なんとか成績をつけてあげたいと考えている先生は多いのです。
親御さんは、以下の3つの選択肢から、お子さんができそうな方法を学校に相談してみましょう。
対策1:別室登校や放課後に「テストだけ」受ける(別室受験)
教室の空気がしんどい子でも、「誰もいない部屋ならなんとか行ける」という場合があります。
- 別室受験: 保健室、図書室、相談室などで、一人でテストを受けさせてもらう。
- 別日・短時間受験: テスト当日は休んで、後日の放課後に「得意な1教科だけ」「時間を短縮して」受けさせてもらう。
学校側は「本人の無理のない範囲なら」と柔軟に対応してくれることが多いです。
対策2:定期テストの代わりに「課題・小テスト」を提出する
学校に行くこと自体が難しい場合は、家での学習成果を評価の材料にしてもらいましょう。
- 教科書準拠ワークやプリントの提出(週に〇ページなど)
- ノートの提出(学習した日付を書いて、親が写真を撮ってメールで送る形でも可)
- 家での小テスト
これらを定期的に提出することで、「平常点(関心・意欲・態度)」として評価してもらえる可能性があります。
対策3:オンライン教材や家庭教師の学習を「出席扱い・成績」にする
現在、文部科学省の通知により、一定の条件を満たせば「自宅でのIT(ICT)教材を使った学習」を学校の出席扱いにしたり、学習の記録を成績に反映させたりすることが認められています。 これが、今最も現実的で、親御さんの負担が少ない方法です。
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この記事で参照した公的資料
- 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第17条
- 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第57条・第58条
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
※卒業認定は校長判断であり、学校・自治体により対応が異なる場合があります。







